JAMDAブログ

« 前の記事 |  メディア・報道トップへ戻る  | 次の記事 »

2006年12月23日

[  第35回 JAMDA 海外研修ツアー レポート  ]

第35回 JAMDA 海外研修ツアー レポート

まずは、このツアーに参加できた事をうれしく思うとともに、添乗員の奥村さん、現地コーディネーターの岩田さんにお礼を言いたいと思います。様々なところで細かい部分まで配慮して頂き、現地でお参考になるお話、アドバイスを頂きありがとうございました。
私は、N.Y.は2回目なのですが、初めて行ったのが12年前になります。その時は地図を見るのに必死、歩くのに必死、百貨店を見るのに必死、といった具合で余裕がなく、「すごいなー」という感動と、「つかれた」という事だけが印象に残っています。
しかし、今回は、ある程度下調べもし、余裕も少しあったのでN.Y.の良さをゆっくり見れたような気がします。

今回、色々な所に行きましたが、まずチェルシーマーケット。9thAve-16stにあり、もともとはナビスコのビスケットを作っていた工場で、中はアートの香りがプンプンし、オブジェがあちこちにあり環境だけでも楽しめる場所に、ベーカリーショップ(オープンキッチン)、フィッシュマーケット、お菓子屋、ワインショップその他etc...が入っています。規模的にはあまり大きくないのですが、この環境、感覚に心地良さを感じました。

チェルシーマーケット横にある安藤忠雄デザインのレストラン「morimoto」。
すっきりした店内に、ガラス瓶を使った壁、地下にはBarもあり雰囲気の良い店でした。morimotoビールというビールがあり、蕎麦から作ったビールと説明されましたが、本当でしょうか?味は普通でした。食事の方は...でした。

[夜歩き]地下鉄で28st~68st、そこから72st-マディソンAve ポロ・ラルフローレンから下って、5thAveを下がってエンパイヤ・ステートビル、西に向かってメーシーズ、くるっと回ってParkAve-28stパークサウスホテルまで・・・。結構歩いていろんなSHOP、WINDOWを見て歩きました。どのWINDOWを見ても、すべてが目に飛び込んで来るWINDOWで、見たくなくても見たくなるといった感じで、おもしろさ、意外さ、綿密さ、ストーリー性、それぞれnWINDOWに違ったものを感じました。

SOHO地区は、見ているだけで楽しいお店の集まりで、街並み・環境ともに1つのかたまりになっており、その中で、それぞれのSHOPが個性を出して造られている様に感じました。その中でも、ブルーミングデールソーホーとユニクロの建築・内装がおもしろく、ブルーミングデールソーホーはあまり大きい店舗ではないのですが、2つの倉庫をつなげた造りになっており、つながっている部分にエスカレーターを設置し、壁面を倉庫のレンガそのままを使い、穴の空いている部分等にディスプレイがある等、建物のイメージ、形をうまく使いながらモダンなイメージを加えてうまくまとまっていました。ユニクロは、日本のイメージとは、まるっきり違うものを感じました。商品の展開方法は同じだと思うのですが、迫力と見せ方のうまさ、スケール感の違いに驚きました。日本では、投資予算やランニングコスト、メンテナンス、地震対策等といった細かくクリアしないといけない部分があります。当然、N.Y.でも同じだと思うのですが、スケール感、大胆さ、自由な発想等、買い手に見易く、楽しませる造りになっていると感じました。

バーニーズは、売場構成、見せ方、什器全てにおいて、感度の高さを感じました。

ブルーミングデール公式訪問については、ブルーミングデールの位置づけ、考え方を聞けたかと思います。
ブルーミングデールは、ペデレーティッドデパートメントストアという会社の中の1つで、メーシーズも同じペデレーティッドの中の1つであり、全米でブルーミングデールが37店舗、メーシーズが400店舗という事で、位置的に、ニーマンマーカス・サックス(高級)とメーシーズの間のブリッジデパートメントストアとして位置づけられています。
売場の改装は、1年毎に行い、ブランドストラテジーを軸に他のデパートとの差別化を行っているとのことでした。サービス的には、パーソナルショッピングアシスタントとして各メンズ、レディース、コスメティック、ブライダルレジストリー、コーポレートサービス(会社同士の贈り物等)でアシストしてくれるサービスがあるようです。

このブルーミングデールの訪問で感じたことは、当然、内装・物の見せ方、参考になった部分は多々あるのですが、ブルーミングデールだけではなく、他の百貨店、路面店、にしても接客が良いように思いました。
日本との文化の違いはありますが、笑顔で話し掛けてくる(わざとらしくない)、お店に入ったら必ず挨拶をしてくる(日本は、いらっしゃいませと頭を下げるが、もっと軽い感じで)軽く、心地が良い感じです。

このツアーで感じた事は、上記に書いた所以外に色々まわって色々な刺激を受けました。
贅沢を言うと、自由時間がもう少しあれば、違う分野の場所にも回れたかなと思いましたが、これくらいが丁度いいのかな?
それと内装の設計をするものとして、このN.Y.視察で感じた、大胆さと繊細さを参考にし、それを日本版にアレンジしながらこれからの内装設計に役立てたいと思います。先程も書きましたが、文化の違いはありますが、当然物を売る器は良い物にこした事はありませんが、やはり接客が大事という事もすごく感じた事の1つです。
添乗員の奥村さんもおっしゃっていましたが、1つ扉を開けるにしても、先に扉を開けた人が次の人が来るまで待っている等(これだけではありませんが)人が人に対するやさしさみたいなものが、接客に出せ、器と一体となればもっと良いお店ができるのかと感じました。
今回はどうもありがとうございました。(又、行きたいです)

吉忠マネキン株式会社 デザイン統括部
小笠原 邦樹

投稿日時:2006-12-23