2010年01月14日
[ 第38回 JAMUDA 海外視察団<London>研修レポート ]
今回12/09~13にかけてjamda海視察団ロンドン研修に参加させて頂きました。
研修では、10日に郊外にあるBLUE WATER S.Cと市内近郊のWEST FIELD S.Cを視察し、11日の自由研修をはさんで、12日には大英博物館と都市開発地域を巡りました。
この研修は、私にとって初めてのロンドン(ヨーロッパ)だったのですが、ロンドンはおろかヨーロッパという所は、私たちにとって地理的にも感覚的にも遠い印象があり、結局のところ直に見定めなければ分からないといった気持ちで参加者の皆さんも発たれたかと思います。
若手デザイナーの私としては異なる文化や民族性の違い=スタンダードの違いを浅くともなるだけ広く多角的に体験することを主眼に置いて視察に臨んだのですが、研修を通じ想像以上にたくさんの事を体験し感じて、とても良い旅ができたと満足しています。
ロンドンという街は一言でいえば街全体が歴史博物館のようなところでした。
歴史的建造物の法律による保存と利用における街づくりは、住宅から商店にいたるまでのそのほとんどが何百年も以前からの建物が使用されています。
豪奢な装飾建築と街のそこかしこに現れる彫刻とが私たちの期待をはるかに超えていて圧倒されました。
しかし、そういった古い街並みの一方で、テムズ川沿岸の一部の特区ではその様相を近代建築へと一変させ、来るべきロンドン五輪への意気込みのみならず、彼らの構造物に対する敬愛と同時に、反発にも似たイマジネーションの発露を見るようで刺激的でした。
それは、今回視察したWEST FIELD S.Cにおいても同様の感想を抱いたものでした。
そして、1番の驚きはといえばロンドンのクリスマスの華やかさに外なりません。ストリートにはその通り毎にイルミネーションが施されており、各店舗のウィンドーも日本では考えられないほど力の入った演出がありクリスマスムードで街全体が包まれています。
また、大英博物館ではあまり予備知識を持たずに臨んだのですが、参加者のほとんどの方もどうやら私と同じだったようで、姿を前にするなり皆一様に感嘆の声を上げてしまうほどの迫力でした。
所蔵品ももちろんすばらしいのですが、展示の仕方もさすがに上手く、ディスプレイに通じるものを感じました。
研修を通じて、ロンドンという街は数ある大都市の中でも住むのに不都合の多いところなのではないかと思う場面もありました。家賃や物価はとんでもなく高く、食事も美味しくない上に段差や階段のとても多い街です。
さらには多種多様な人種が入り乱れて多くの制限の中で共存していかなければならないわけです。しかしただ、彼らからは、そこに住み新旧の建築やモノやディスプレイの<カタチ>をして伝統を伝え続け、また、新しい価値を生み出している自負のようなものが感じられるような気がします。それが紳士・淑女のお国柄なのかと思ったりもしました。
研修はとても興味深い事柄に満ちていて今後のデザイン活動のヒントになるとともに活力になりました。参加できたことに大変感謝しています。ありがとうございました。
また、旅先で良くしてくださった皆様と平年に比べ暖かく雨の降らなかったロンドンにも改めてお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
平和マネキン・SD研究室 谷川 尊彦
投稿日時:2010-01-14