2018年01月09日
[ 第46回 JAMDA 海外視察レポート ]
株式会社パールマネキン
東日本プランニング部 第2企画室
石原 裕子
世界最大・最新の情報発信基地[ニューヨーク]。今回の海外研修では、日々変化しているニューヨーク話題のエリアを中心に、ホリデーシーズンの街を視察して参りました。
一概にニューヨークとはいえ広大なエリアに分かれており、またエリア内でも莫大なチェックポイントがあったため、研修期間内に全てを回ることはなかなか難しかったのですが、日本国内とは趣向の異なった感覚に多数触れることが出来たことは大変貴重な経験となりました。
今回は事前にいくつかポイントを儲け、テーマに絞った視察をして参りましたので報告致します。
【①話題の新スポット】
□Westfield World Trade Center
グランドゼロの脇に出来たFultonSt.駅と直結した施設を視察しました。
施設の中心となる[The OCULUS]は、屋外から見ると翼を拡げた飛翔する鳥の様で、20010911の惨劇の跡地だけに平和を願わずにはいられません。
内部は真っ白な近未来都市風建築に、地下でありながら陽の光が差し込む姿のあまりの美しさには息をのむばかり。
出店テナントはニューヨークらしいハイストリートブランドが多めで割とカジュアルな雰囲気。そして地下道で繋がる[Brookfield Place]には一部ハイブランドが集まる中、地元ブランドも数多く肩を並べ、また通路の至る所で簡易的なPOP UP STOREも出店されており、施設全体がリズミカルで活気があり、ニューヨークと云う街を凝縮した様な施設でした。
施設中央のホリデーイルミネーションは、手を翳すとその人に合ったカラーに色が変化するというアトラクション要素もあり賑わっていました。
□Industrial City
MDPエリアのチェルシーマーケットと同じデベロッパーが、長い間放置されていた工場を買い取り開発を進めている商業施設です。
マンハッタンやブルックリン北部のRent価格高騰により、次なる開発エリアとして注目を集めているサニーサイドのウォーターフロントエリアにあり、現在は公共交通機関でのアクセスが非常に悪い場所なので、近隣住民が主に利用しているとの事。
内装は使い古した昔のインダストリアルな雰囲気を漂わせながらも至る所に施されるモダンアートが融合し、全体的にブルックリンらしさが前面に押し出されており、原状はまだ空きテナントが多くまさに発展途上の施設という印象でしたが、今後テナントがどんどん増え活気付いてくるのではという雰囲気が漂っていました。
□Tory Sports
新スポット…というには時間が経ってしまいましたが、2015年からスタートしたTORY BURCHのアクティブウェアブランドで、今年10月に日本初上陸したばかりの話題のブランドという事もあり、今回はフラットアイアン店をリサーチして参りました。
奥行きの深いシックな店内にはシンプルで洗練されたスタイリッシュなデザインの商品が並んでおり、ブランドロゴをイメージしたブルーを効果的に取り入れた落ち着いたゆったりとした空間で1点1点しっかりと魅せています。
ブランドのマスコット[リトル・グランプス]の顔を模したマネキンヘッドも空間へ軽やかなリズム感を生み出していました。
【②EC連動】
日本でもEコマース企業のリアル店舗進出が話題となっている為、ニューヨークの現状も把握したくこのキーワードに沿った店舗の視察を行いました。
□EVERLANE
今回の視察で私の1番の目的だったのが、今年[誰がアパレルを殺すのか]でも話題となり、世界中から注目を集める新興アパレル企業[EVERLANE]。
ショールーミング形式をとっており、店舗にレジは無く、タブレットで注文すると倉庫から自宅へ届く。
マーケティングはSNSを活用…残念ながら日本への配送は行っていないとの事で落胆していたのですが、その初めての実店舗が12月2日遂にオープン!の朗報をSNSで知り、タイミング良くノリータ地区にあるその店舗を視察する事が出来ました。
白を基調とした高い天井の開放感のあるシンプルな店内には平日の昼間とは思えない程の人、人、人。
注目度の高さが伺えます。入店してすぐの壁面には、この店舗をつくるにあたって掛ったコストとバックグラウンド(起ってしまったミスまで!)を記したメッセージが。
これが原価・利益をオープンにし、縫製工場の労働環境や利益の使い道など、透明性のある販売方法をとるEVERLANEらしさであり、カラーなのだと一目瞭然です。従来のショールームとは違い、トップスや服飾雑貨などはその場での購入→持ち帰りOK。
しかしデニムコーナーに関しては[Try-On Only/試着のみ]で、後日配送。
店内奥にある6台のフィッティングルームには長蛇の列が出来ていました。会計はショールーム同様タブレットで専用サイトにログイン。
透明性のある販売方法で質へ対する安心感や安全性が目に見えること、それが今の時代にマッチし支持されているのだと改めて感じました。
【③POP-UP】
Rent高騰とアパレル不景気により、SOHOエリアを中心に街中に[POP UP]の看板を掲げた店が多く見られました。
しかし日本のそれとは異なり、しっかりと作り上げられた内装とディスプレイで、常設店舗と遜色のないものばかりです。
Googleなどのブランドプロモーション要素、Bershkaなどのマーケティングの為のテスト出店、とPOP UPでも様々な形態があり、ここからトレンドが生まれる可能性のある、今後とも注目すべきカテゴリであると思いました。
□Google POP UP
先述にもあるTORY SPORTSや日本上陸で現在話題のlululemonなど、最新トレンドのアスレジャーを取り入れる先進的なライフスタイルのショップが並び、ニューヨークでも注目スポットであるフラットアイアンの中心に期間限定のPOP UP SHOPをオープンしたGoogle。
白×木目の優しい雰囲気の空間ではVRなどのGoogle製品が無料体験できるスペースや、アートスペースのような数多くのフォトスポットで構成され、Google流テクノロジー×ライフスタイルの提案を体験出来るプロモーションスペース(ショールーム)としての実店舗は、実売は無いものの沢山の人で賑わっていました。
【④クリスマスVMD】
街中が無数のイルミネーションで彩られ、魔法にかけられた様に華やかなショーウィンドーが軒を連ねるホリデーシーズンのニューヨーク。
白雪姫のストーリーを軸にコンセプチュアルな装飾のSAKS FIFTH AVENUE。
ハイホーの音楽に連動する外壁のイルミネーションのショーは圧巻の一言です。
Bloomingdale’sは、デジタルサイネージを活用したインタラクティブなウィンドーや圧倒的な迫力のムービングマネキンが店内所狭しと配されており、壮大なショータイムを演出。
またオーナメントを巨大化させたモチーフやニューヨークらしいネオン管を多用した演出なども多数みられました。
6日間をしてのリサーチは、各エリアの街の雰囲気や特色・傾向等を間近に体感した事により、自分にとって大きな経験になりました。
このような機会を与えて頂き感謝すると同時に、今後の自己能力の向上と日々の業務に活かした企画に繋げて参りたいと思います。
貴重な経験をさせていただき誠に有難う御座いました。
投稿日時:2018-01-09