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岡田がマネキンのコレクション創作を許されたのは、吉忠マネキンに入社してから11年後(1994年)の事だった。 当時、吉忠マネキンは、ツイギーで一躍有名になった『アデル・ルースティン』とのロイヤリティ契約がスタートしていた。岡田は、『アデル・ルースティン』の偉大な天才原型作家ジョン・テーラーのもとで自分のコレクション制作に邁進し、リアルマネキンの真髄に傾倒していった。「人体を表現するにはリアルが最も美しく、最も高度な技術だ」と岡田は語る。
2004年、アトリエを京都本社から東京造形室に移した岡田は、アトリエ営業としてもマルチな活躍をする。クライアントとのコミュニケーション頻度が増え、社内外から頼られる立場になった岡田は、聖域に近かったアトリエの門を社内外に大きく開き、これまでのアトリエ概念から見事に脱却した。 2009年、新作『NEO』を発表する。市場からの強い要望を請けての抽象マネキンだ。岡田は、どうせ作るなら自分にしか作れない抽象マネキンを制作すると決意した。『NEO』は、抽象マネキンでありながらしっかりとリアルな肉体を持っている。まるで「これが岡田の抽象マネキンだ」と語りかけてくるようだ。 「美」を探求し続ける岡田は、人知れず毎朝早くから出勤し、一人で制作に励む時間を自ら作り出している。
2003年作 凛とした女性の美しさ
1998年作『COAT』
2009年作 新しい抽象の可能性を追求した『NEO』
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