≪ 戻る | 目次 | 次へ ≫ |
つねに新鮮でユニークなマネキンは、どのような製作工程を経てつくられているのだろうか。そこには高度な造形力と技術力が求められ、そしてアーティスティックな感性が、すばらしいマネキン創造のべースを担っている。
新しいマネキン、オリジナルマネキンは、まず開発企画会議から始まる。そこでは最新のファッション情報、店舖ディスプレイの動向、生活者の消費志向などが分析される。そしてアート感覚と技術に裏付けされた、豊かな表情、ポーズ、感性を満たすマネキンの開発が企画される。
マネキンの製作にあたっては手づくり感覚が、きわめて重要視される。FRPのマネキンは大きく分けて8つの工程を経て完成するのだが、驚くほどの時間と人手を費やする。
製作段階の第一歩はマネキンのデザイン、基本パターン、ポーズ、体形が粘土によって形づくられる。アーチストはモデルと向き合い、作業も真剣そのもの。高い芸術性と彫塑力を必要とする。
基本体形を石膏で型取る。抜き取った型は、マネキンを複製してゆく製作工程のベースとなる大事な作業の一つだ。この基本作業からマネキンづくりが始まる。
粘土でつくったマネキン(粘土原型)を、そっくりそのままプラスチックに複製する作業。これが量産型をつくる基本体となる。合わせの際のズレや歪みなどの厳重なチェックが徹底して行われる。
ここからが製品工程で、同じマネキンを何体も生み出す目的の量産型をつくる作業となる。作業自体はマスター原型づくりとほぼ同じだが、これをベースに100体近くのマネキンが誕生してゆくので、正確で頑丈なものをつくりあげていく。
この製作工程でマネキンの原型(白地仕上り)が登場する。この段階はまったくの荒削りで、さらに地吹・下地・彩色を経て製品化してゆく。成型とは、はだかのマネキン人形をつくる作業だ。成型時の作業は次のような手順を踏んで行われる。
マネキン人形の色は性格や製品企画によって異なる。地吹とは、スプレーガンで表面を白地仕上げに塗布する作業で、マネキンの肌の色や、つやはここで仕上がる。
下地は、アイシャドーやマニキュア、口紅、頬紅などを着色する作業。メイクアップの際は、筆によって修正、仕上げされる。
最終工程のメイクアップ。デザインカラーをつける段階で、細い筆でまゆ毛を描いたり、口紅、その他の修正が行われる。そして最後に、彩色、ヘアの細かいチェックが行われ、マネキンが完成し、商品化する。
≪ 戻る | 目次 | 次へ ≫ |