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新鮮でユニークなマネキンやオリジナルマネキンの製作は、まず開発企画会議から始まる。そこでは最新のファッション情報、店舗ディスプレイの動向、生活者の消費志向などが分析され、ディスプレイを華やかに彩り、 魅力あふれるマネキンのイメージコンセプトが作り上げられる。このコンセプトを基に、原型作家によるマネキンの粘土原型制作がスタートする。手作り感覚がきわめて重要視されるマネキンの製作は、大きく分けて7つの工程を経て完成するが、そこには、高度な造形力と技術力、そして驚くほどの時間と人手が費やされる。
1. イメージするデッサンを描き、これをもとにマネキンを制作する。
2. 鉄の棒を曲げて骨組みを作る。
3. 「しゅろ縄」を巻き付けて、粘土が付きやすいようにする。
4. 骨組み土台に、粘土で大まかな肉付けをする。
5. 粗く全体像が出来上がる。
6. 各部のサイズを確認しながら、さらに肉付けをおこない、仕上に向う。
7. 顔の制作。
8. ポーズとヘッドの向き、あるいは目線の動きなど、細部に注意を払う。
9. 粘土の凹凸をならし粘土原型の完成。
1. 型を分割するラインに沿って、薄い金属板を差し込んでいく。
2. 粘土原型の上から、
石膏を塗布して重ねていく。
3. 顔の表面は、気泡が入らないように特に注意をして石膏を付けていく。
4. 固まった石膏を、区分けされたパーツ毎に、分割ラインに沿って外す。
5. 慎重に一面ずつ取り外して、付着した粘土を落とす。石膏型の完成。
1. 石膏型にゲルコート材を塗布、ガラス繊維布を貼って丈夫にする。
2. 粘土原型と同じ形のマスター原型が
出来上がる。
3. マスター原型の完成形をイメージ確認する。
4. 傷一つ無いように、表面全体を段階的に磨き上げていく。
5. 分割されたパーツ毎に、ジョイントするための部品を取付ける。
6. 各ジョイント部分にズレがないか確認をする。
7. 軽くて丈夫なマスター原型の完成。
1. マスター原型から、頑丈な量産型となる雌型をつくる工程に入る。
2. 樹脂に浸したガラス繊維布を、内側に気泡が出ないように張り込む。
3. ガラス繊維布を何枚も重ねて、
頑丈な型にする。
4. 顔はシリコンで型取りをする。
5. 顔は形状が複雑なため、弾力のあるシリコン樹脂が必要となる。
6. ポリ型の出来上がり。
1. ポリ型の内側に離型剤を塗布し、樹脂を満遍なく塗布する。
2. 樹脂に浸したガラス繊維布を、内側に気泡が出ないように張り込む。
3. 手・足・胸部・顔など、すべてのパーツに同じ作業を繰り返す。
4. 各パーツの前面と後面を、スクリュードライバーでしっかり締め付ける。
5. 顔のシリコン型に樹脂を塗り、ガラス繊維布を丁寧に貼り込む。
6. 各パーツの接合部に肩板、胴板、足継、手継を所定の位置に取付ける。
7. 各パーツ毎に離型する。
8. 離型した段階では、継ぎ目に樹脂がはみ出しバリが出ている。
9. 継ぎ目のバリを削り、パテ埋めと同時に継ぎ目のラインを消していく。
10. 顔を接合する。
1. 指定された肌色のラッカーを、スプレーガンで塗装する。
2. 手足やその他のパーツも、同様に塗装する。
3. マネキンが出来上がる。
1. 唇など各パーツに、
ラッカー塗料を吹き付けていく。
2. 眉をいれる。
3. 目と眼球をいれる。細い筆を使用し、細かな部分を油絵具で仕上げる。
4. 一体一体丹念にメークアップを完成させる。
5. カツラを被せる。
6. マネキンの完成。
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