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翁は1937年、彫刻家・翁朝盛の長男として東京都に生まれ、宮城県に疎開した1945年から、父朝盛を師匠として彫刻を習い始めた。
1961年東京マネキン(現:トーマネ)に入社して以来、翁は原型作家として、「品の良いマネキン」、実用本位ではなく「付加価値として説得力のあるマネキン」を目指して制作し続けて来た。
翁が最も大切にしているのは、「自分の好きな顔を作ること」だと語る。自分の感性を信じ、それをごまかすことは決してない。その自信を保つために、常に美的レーダーを張り巡らせ、その感性に磨きをかける努力を怠ることはない。
翁にとって、マネキン制作の醍醐味は「商業美術」であるということだ。ある枠に縛られながら美を追求することは、純粋芸術より遥かに面白く、感性を刺激するものであった。しかしそれは、世論に迎合するのではなく、クライアントが本当は求めているが「気付いていないもの」を引き出し、説得し、形にしていくことである。
翁の制作するマネキンには、彫刻の手法がふんだんに使われており、彫刻とマネキンのモダンな融合が人々を魅了して止まない。なかでも『FM-210N』などの紳士マネキンには、そこはかとなく色気が漂う。これは、繊細で細やかな心遣いの出来る大人の男、翁自身が持つ色気であろうか。
1988年作 カラー樹脂を使用
1995年作 ソルジャリーな都会の女性
1995年作 ミステリアスな表情
1995年作ワイルドな色気が漂う『FM-210N』
1995年作 ミステリアスな表情
1995年作ワイルドな色気が漂う『FM-210N』
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